ようこそ、修羅の道へ――フリーランスの厳しい現実または生存戦略について
"フリー"であることの代償
とある界隈では"フリーランス"という立場にある種の羨望があるようでして、実際に身を投じる方や将来の希望として考える方がいらっしゃるようです。私自身としては別にフリーランスになること自体に思うところはなく、基本的には「やってみればいいんじゃないですかねー」ぐらいにしか考えていないのが正直なところ。チャレンジする姿勢については悪くないどころか、むしろ高く評価するべきだと思います。
けれども、フリーランスというのは、それほどお気楽な生き方でもないんですよ。むしろ生き残っていくのが難しい"修羅の道"ではないかと。
私はたかだかフリーランス歴5年の若輩者ではありますが、前職・前々職でさまざまなフリーランスの方々とお仕事をさせていただきました。業界歴としては、今年で20年目です。ごく限られた観測範囲の話でありジャンルが変われば事情も変わるのかもしれませんが、長期間フリーランスとして活躍し続けている方はほんのひと握りです。多くの方が、フリーランスという生き方を辞めて、別の人生を歩んでいらっしゃいます。具体的には、以下のような感じ。
フリーランスを辞めたあとの進路
- 企業に就職する(自分のいた界隈に関連する/しないを含めて)
- 会社を立ち上げる
- ほかの職種へジョブチェンジする(大学講師、資格を活かした職種など)
- 消息不明
上記のなかでもっとも"ゴール"に近いのは、ジョブチェンジの道でしょうか。会社設立もゴールのように思えるかもしれませんが、実はより厳しい道のスタートでして、経営が立ち行かなくなって会社をたたむ方も少なくありません。フリーランス時代に培った知識やスキルを武器に、それなりの企業に潜り込めれば超ラッキーといったところでしょう。
ただし年齢を重ねるにつれて企業はプロジェクトの管理能力、つまり"人を動かす力"を求めてくるわけでして。フリーランスという立場はその能力を伸ばしづらいこともあり、一定の年齢を超えると就職が非常に難しくなります。たとえ就職したとしても、生え抜きの幹部候補と比べて待(以下、涙にむせびながら略)。
そんなわけでフリーランスの道を選ぶということは、目の前にある自分の可能性を広げるとともに、退路の選択肢を減らしているとも言えるのではないかと思うわけです。
稼ぐための道筋を自分で切り開く
ではフリーランスとして生き残るために、なにをしなければならないのでしょうか。その質問に対してはさまざまな意見があると思いますが、大きく考えると「収入が増えるシステムを自力で作り上げる」ことだと、私は考えています。
企業にいれば多少の差異はあれ、半ば自動的に収入は増えていきます。しかしフリーランスの場合は、だまっていても収入が増え続けることはまずありません。自分で考えて、工夫して、努力しなければ、収入は低いままです。会社員の場合でもある程度共通する部分はありますが、フリーランスの場合は日常的な業務に加えて生存戦略を練る必要があるという点でシンドイです。
たとえば、一番手っ取り早い(と思われている)ライター業について考えてみましょう。ライター業で平均的な収入を得るには、いったいどれだけの成果物を納品する必要があるのでしょうか。
国税庁が発表した「平成25年分 民間給与実態統計調査」によると、給与所得者の平均給与は年間414万円(資料5ページ目を参照)とされています。
参考資料
- 平成25年分 民間給与実態統計調査(PDF)
もしフリーライターとして1本5000円の原稿を書くならば、年間828本納品する必要がありますね(便宜上、源泉徴収や諸経費は考慮していません)。365日休みなく働いたとすると、毎日2.2本以上書かなければなりません。原稿の執筆には取材や検証、調査などが必要になりますが、その作業時間も含めての話です。どうでしょうか、やれそうですかね。
ちなみにフリーランスは保険料や年金などを全額払う必要がありますから、現実的にはもっと収入を得なければなりません。確定申告で経費が~というのは、また別の話。
さらにもっと言うと有給なんて素晴らしい仕組みは一切なく、体調不良で仕事ができない、あるいはなんらかのトラブルで手が止まると、そのぶんの収入は減っていきます。
そんな事態を防ぐには、常に体調管理や機材のメンテナンス等を意識する必要があります。また支出や収入を管理したり請求書を発行したり、スケジュール管理も自分で行なわなければなりません。このように、フリーランスは総務/経理/システム管理の仕事に加えて、自己管理まで行なう必要があるのです。うわー、メンドクセー。
そう考えると、1本5000円のお仕事なんて、到底やってられません。1日に10本納品できるスキルを身に付ければ別ですが、普通は仕事の単価を上げる必要に迫られます。では単価はどうやって上げるべきなのでしょうか? そんなこと私が教えて欲しいくらいなのですが、私のつたない経験からなんとかひねり出せたのは以下の4項目です。なお、私自身が実現できているとは限りません。
仕事の単価を上げる方法
- 専門的な知識やスキルを身につけて、自分にしかできない(あるいはできる人が少ない)成果物を仕上げる
- 積極的に営業を行ない、条件のいい案件に出会えるチャンスを広げる
- 担当者周辺の人物とも積極的にコミュニケーションを取る
- 報酬以外のメリットを考え、中長期的な視点で判断する
個別の項目について解説すると全体のボリュームが書籍1冊ぶんくらいになりそうなので、今回はあえて説明しません。ここから自分なりの気づきを得られれば、フリーランスとして生き残る可能性は上がるでしょう。決して、メンドーになったから説明しないというワケではありませんよ。ホントですよ?
それはともかく、この単価を上げる方法は一時的にこなせばいいわけではなく、フリーランスとして生きていく限り継続する必要があると私は思っています。別に全部でなくてもいいのですが、最低でも2つは常に意識しておく必要があるかなと。4つ全部できる人なら、もしかすると大成するかもしれませんよ。
以上は単価を上げる方法についてですが、収入を増やすシステムには別の方法もあります。たとえば外注を利用するですとか、別の職種にも進出してみるですとか、知名度を上げて優位な立場に立つですとか、手段はいろいろです。すでにノウハウを持っている人からやり方を聞き出すのが効率的ですが、最終的には自分の頭で考え自分の手を動かす必要があります。
しかし、これらを一定のテンションを維持し続けたまま継続していくのは相当ツライんですよね。30台半ばを過ぎると体力も衰えてきがちですし、40台になると若い人でもなりがちなスマホ老眼が進んだりしますし(決してただの老眼ではありません!)。体力的にも精神的にもタフ(あるいは鈍感とも言う)でなければ厳しいものがあります。
フリーランスに必要なものは会社で身に付けられる
じゃあフリーランスとして生きていくのは超人でなければムリなのかというと、実はそうでもありません。独立前にコネとある程度の知識/スキルを身につけておけば、比較的こなしていけます。で、それらを効率的に身につけるには、結局のところ会社に勤めるのがよかったりもするんですよね。
また会社である程度の経験を積むとそれなりの責任を持つことになり、その結果として管理能力が培われていきます。これはフリーランスでは得難い、貴重な経験です。プロジェクトの進行がうまく行かなかったとしても、「多くの人は効率や成果ではなく、感情で動いている」などの気づきを得られることもあるでしょう。
もしいま会社勤めをしている人でフリーランスへの転向を考えているなら、いまの職場で可能な限り下地作りをしておくことをおすすめします。やりたいことと関係がないように思えても、この先なにが起こるかはわかりませんよ?
フリーランスがこの先生きのこるには?
しかし会社でコネやスキルを得たしても、フリーランスで生きていくのは修羅の道です。ノースキルならなおのこと。業界のルールや経験がないとわからないことだらけで、時にはヘコむこともあるでしょう。会社員なら先輩や上司が教えてくれるかもしれませんが、フリーランスは自力で身に付ける必要があります。
でもだからといって、別にフリーランスなんてやめとけというわけではありません。フリーランスという立場で得られにくいものを意識しておくと、後々に役立つのではないか、ということです。特に若さは体力面や印象面など、いろんな意味で大きな武器となります。大切なのは、自分の強みを意識して今後どう生き残るかを考えることです。
世界は5~10年で大きく変わることもあります。初代iPhoneが発表されたのは2007年1月で、日本でiPhone3Gが発売されたのは2008年7月のこと。まだ10年たっていませんが、モバイル/PC市場は劇変しました。この変化によって新たに生み出されたものも数多く存在しますが、消えたものも多くあります。
このように、いまは順調でも短期間で不調に転じることがあるかもしれません。たとえば私は、出版/メディア業界で写植→DTPへの変化や紙媒体→ウェブ媒体の変化に乗り遅れフェードアウトしていった事例を見てきました。また依頼主に変化があると、真っ先に切られるのは外注です。そんな情勢を乗り切るためにも、フリーランスは自らを守る手段を身に付けなければなりません。"自営業"ではなく、"自衛業"です。あ、フリーランスって"自由業"でしたね。ウマイこと言えたつもりだったのに……。
そんなわけで、私が言いたいことはただひとつ。
「厳しいけど、みんなで生き残ろうぜ!」
Surface BookのCPUがMacBook Proの2倍の性能であるワケがない点について
昨日4日がSurface Bookの発売日だというのを忘れておりまして、せっかく秋葉原にいたのにも関わらず触らずに帰ってきました。写真だけでも押さえておくべきでした。
その表現は正しくないですよ
それはともかく、発売日ということでSurface Bookに関するエントリがそこかしこでワラワラと公開されているわけでして。で、まあMacBook Proとかの比較記事もあるわけですよ。「Surface BookとMacBook Proを比較!どっちを買う!?」みたいな。「両モデルの違いを徹底検証!」みたいな。
そんな切り口はよくある話というか、私も頻繁に書くわけで特に問題はないんです。ですが、昨日公開された記事にこんな記述がありまして……。
SurfaceBookのCPU速度はMacBookPro13インチモデルの2倍
えっとですね。マイクロソフトが公言したのは「性能が2倍」であって「CPU速度が2倍」というわけではないんですよ。なんの性能が2倍なのかまで言及していません。もしかすると「バッテリー性能」かもしれませんし、「ストレージ性能」かもしれませんし、ひょっとすると「メモリー性能」なのかも。まあ、実際のところはグラフィックス性能(もしくはゲーミング性能)といったところでしょうけれどね。
Surface BookとMacBook ProのCPU
なぜCPU性能が2倍ではないかというと、Surface Bookに搭載されているCPUはCore i5-6300U/Core i7-6600Uで、MacBook Pro 13インチモデルはCore i5-5257U/Core i5-5258U/Core i7-5557Uだからです。わからない人にはサッパリだと思いますが、気にせずに続けます。
現在は国内外のレビューが公開されたことでCPUの型番が知れわたっていますが、発表直後でもマイクロソフトやアップルの情報からどんなCPUが使われているのかは特定可能です。
たとえばマイクロソフトはSurfaceBookで「第6世代のCore i5またはCore i7」、「iGPUとしてIntel HD Graphics 520を搭載」のCPUを使っていると公開しました。Intel ARKを見てみると、該当するCPUは4種類しかありません。
マイクロソフトはエンタープライズ需要にも対応するためにSurface Pro 3からvPro対応CPUを使っています。Surface Pro 4でもvPro対応CPUを使っていますので、Surface Bookでも使われるでしょう。そう考えると、最終的にCore i5-6300U/Core i7-6600Uしか残らないのです。
MacBook ProのCPUも同じような感じで特定できるわけですが、現行モデルは発売されてからだいぶ時間がたっていますので、ちょっと検索すればCPUの種類を知ることが可能です。
Surface BookとMacBook ProのCPU性能差
で、Surface BookとMacBook ProのCPUの違いですが、確かにSkylake世代のCPUは性能が向上しているものの、Broadwell世代からいっきに2倍になるほどではありません。しかもSurface BookのCPUはTDPが15Wで、MacBook Proは28Wです。TDPとは消費電力量を表わす目安で、この数値が高いほど消費電力は大きくなりますが、そのぶん性能はアップします。
いくつかのベンチマーク結果を調べてみたところ(自分で検証したベンチマーク結果ではないです)、Suraface Bookの最上位CPUであるCore i7-6600UとMacBook Proの下位CPUであるCore i5-5257Uでは、スコアに10~20%程度の違いしか見られませんでした。同じCPUでもMacBook ProではWindows PCよりもスコアが高い傾向が見られるので、この差はもう少し縮まるかもしれません。
グラフィックス性能はSurface Bookが高い
このように、CPU速度ではSurface Bookの最上位CPUとMacBook Proの下位CPUを比べてもあまり差がないのです。ではなぜマイクロソフトは「性能が2倍」と公言しているのでしょうか。
前述しましたが、私はグラフィックス性能が求められるベンチマークでそのような結果が出たからではないかと考えています。Surface Bookの上位モデルはdGPUとしてMaxwell世代のカスタムGeForce(1GB)を搭載しています。詳しい話はやめておきますが、「GPU-Z」で「Shaders」が「384」となっているあたりから、スペック的にはなんとなくGeForce 940M相当な感じです。
いっぽうのMacBook Pro下位CPUのCore i5-5257Uでは、iGPUとしてIntel Iris Graphics 6100が使われています。CPU内蔵のグラフィックス機能としては高性能なのですが、それでも専用に用意されたdGPUにはかないません。Surface BookはMacBook Pro 13インチモデルよりも、確実にグラフィックス性能で大きく上回ります。ちなみに15インチモデルではdGPUモデルがあるので、そちらのほうが高性能になるかもしれません。
「性能2倍」のカラクリ
それでマイクロソフトはどんな検証を行なったのかという推測なんですけど、おそらくグラフィックス性能とCPU性能が求められるちょっと古めのゲームでFPSを計測した結果なのではないかなーと。ゲームではグラフィックス性能が高いほうがいいとされていますが、CPU性能に依存するタイトルもありまして、そんなゲームではCPUによって差がでることもあります。CPU性能とグラフィックス性能で勝るSurface Bookでそんなベンチマークを行なえば、有利な結果が出るでしょう。
またFPSが低い数値であるほど、大きな差があるように表現できます。たとえば20FPSは10FPSに比べて2倍パワフルですよね。PCゲームでは30FPSでなんとか、60FPSで快適と言われるので、全体で見ればどちらも全然パワフルではないんですけど。
こういう表現はPCではよくあることでして、たとえばアップルもMacBook Pro15インチモデルで「3D性能が70~80%向上している」と公表しましたが、2年前のゲーム(「TombRaider」)を低画質設定で動作させたときのFPS計測結果を使っていましたね。計測方法を公開しているぶん良心的なのですが、それ大量のベンチマークのなかからいい結果だけを持ってきたんでしょ? 的な感じもします。
MacBook Pro Retinaディスプレイモデル - パフォーマンス - Apple(日本)
書くのならもう少し踏み込んでいただきたい
件の記事にはほかにも「ディスプレイの解像度が高いSurface Bookのほうが上」とか気になる記述があったんですけど、RetinaディスプレイとPixelSenseディスプレイの解像度の差は常人では区別できないような気がするとか、いろいろ思うところがありまして。なんか、リリースやニュースから拾ってきただけのような気がするわけです。
もしかしたらそれくらいのほうがアフィリエイトでCVしやすいのかもしれませんけど、そもそもSurface Bookを選ぶ人はジックリ調べてから買うような気もします。MacBook Proと比較するなら、なおさらではないかと。
詳しく書きすぎると逆にCVしないという側面もあります。ちなみに私のメインブログでは、Surface関係は去年1年間で3台売れました(涙)。Mac関係は300万/月くらいの売り上げがありますけど、料率が0.8%なのです(涙)。
かけた労力にたいして圧倒的に報われていないわけですが、それよりも情報を正しく伝えることのほうが重要だと思っています。「あのサイトに◯◯◯って書いてあったら買ったのに、使ってみたらそんなことなかった」とか思われると、中長期的にはマイナスですからね。
とエラそうなことを言っておきながら、私もしばしば誤った情報を掲載することもあります。そのあたりは、できるかぎり改善していきたいです。
以上、「PC系でトレンドアフィリエイトしようとするとうるさいパソコンの大先生からいろいろ指摘されるのでもう少し調べてから書くほうがいいよっていうか写真はせめて公式のものを使おうぜちなみに今回の写真は自前のものな」という話でした。
HP Stream 11はキーボードが使いやすいんだってば
こちらの記事を読みました。
3万円程度で買えるサブノートとしてASUSの「EeeBook X205TA」を購入したとのことですが、その記事中で日本HPの「HP Stream 11-r000」が「何はともあれ派手!!」と軽くdisられていたので、ユーザーとしてひと言申し上げたく馳せ参じました。
そりゃ「EeeBook X205TA」は軽くて薄くて落ち着いた風合いですけどね、HP Stream 11だってね、そんなに派手ではないですよ。
たとえば、ホラ
ホラ
ホラ
うん、まあ、確かに少しばかりはハデかもしれませんね。でもですね、でもですね。こんなのとかこんなのに比べれば地味じゃないですか。うん、スゲェ地味。実際のところは光の当たり方によって印象はだいぶ変わってくるので、公式のようにコントラスト高え感じはしないですよ。あんまり。
モバイル用途ということで考えれば確かに「EeeBook X205TA」のほうが持ち運びには向いているんですけど、生産性という面ではHP Stream 11もなかなかのモノです。私はとくに、キーボードが(比較的)使いやすい点が気に入っています。
HP Stream 11のキーピッチは約18.9mmで、11.6型としてはかなり大きめ。デスクトップ向けのキーボードがキーピッチ19mmですので、ほぼ変わらないぐらいです。2014年12月に発売された前モデルのHP Stream 11-d000が18.7mmで使いやすさはそこそこだったんですけど、さらにキーピッチを広げてきました。こだわるところはそこじゃないだろ的な感じもしますが。EeeBook X205TAはキーピッチが18mmで少し狭いのですが、HP Stream 11はかなりゆったりしています。
キーピッチは約1.5mmで、こちらは少し浅めです。キータッチも、かなり軽い感じ。タイプ感は少し物足りなさを感じる人もいるかもしれません。ですが、個人的にはストレスを感じるほどではありませんでした。
最近試用したなかでもっともキーのタイプ感が良かったのはThinkPad X260なのですが、そのキーボードを評価で「10」とすると、HP Stream 11は「6」くらいです。「そんなに悪くはない」的な感じ。まあ、個人差もありますが。
その点を考慮しても、HP Stream 11は11.6型としてはキーピッチが大きいので使いやすいです。F1~12キーがメディアキーに割り当てられていますけど、BIO設定を変更すれば問題なし。カーソルキーの上下がやたら小さいのはどうしょうもないので、慣れるしかないです。あるいはタッチパッドを使うとか、超能力的なアレでソレするとか。
あと、タッチパッドのパームリジェクションが効いているので、パッドに手のひらが当たってカーソルが勝手に動くということもありません。格安モデルとしては、かなり生産性の面でこだわっているように感じます。
細かい部分ですけど、USB端子が左右に付いている点もわりと重要です。2ポート並ぶとソケットの形状によって干渉することがあるんですけど、左右にあるとそんな心配はありませんからね。あとマウスとかUSBメモリーを使うとき、左利きでも右利きでも使いやすいというのもあります。
でもですね、HP Stream 11は液晶ディスプレイの発色があまり良くないんですよ。いかにも格安PC向けのTNパネルですよ、的な。青かぶりしてますな、的な。非光沢で映り込みは少ないんですけど、そのぶん画面の鮮やかさに欠ける気もします。
視野角が狭いのは、仕方がないですね。
で、あとは基本スペックなんですけど、テキスト打ち用にはまったく問題ないです。実際に外ではエディタぐらしか使っていませんけど、特にストレスを感じません。ただし画像を加工しようとしたり、Chromeで複数のタブを開いたりするとグッと遅くなります。
ちなみに、Windowsシステム評価ツールの結果(Windowsエクスペリエンスインデックス)の結果はこんな感じ。GamingScoreはWindows10だとDirect3Dでエラーが発生するので無視してください。
PassMarkのスコアはこんな感じ。
Atom Z3735FはCPU Markが900前後なので、ちょっとだけ高性能という感じですね。でも体感できるほどではないかも。
最近は格安ノートPCにBraswell世代のCeleron N3050が搭載されていることが多いんですけど、CPUの処理性能自体(というか、CPU関連のベンチマークスコア)はCeleron N2840のほうが高いんですよね。HP Stream 11-r000が発表されたときに「前モデルからCPU変わってないの!?」と思ったのですが、むしろ変えなくて正解だったのかもしれません。いちおうN3050はグラフィックス性能がアップしているんですけど、体感できるほどではないので、恩恵がないというか、なんというか。
あとストレージはeMMCなんでランダムアクセスは速いです。シーケンシャルライトが全然ですけど。起動の早さは、このあたりが関係している感じですね。
バッテリー駆動時間はまだ正確に計測していないのですが、体感的には7~8時間くらいかなーと。カタログ上では10時間30分とされていますけど、これは電力消費をかなり抑えたときの結果ですので。
ちなみにこれはHPがズルをしたとかそーゆーのではなく、業界の方針に則って計測したものです。ただし条件を厳密に定めたものではないので、実際には2~3割ほど変わってくることも多いんですよね。公称値近くまで駆動したらラッキーくらいに考えたほうがいいでしょう。タイミングとかバックグラウンドの処理によっても変わりますしね。でもマウスとかドスパラのカタログ値は、わりと実測値に近い印象です。
まあそんな感じで専門用語の解説とかなしでババっと書き綴ったわけですが、結論としては「HP Stream 11でもアリだよ!」ということです。ハデですけど。
価格は直販で税抜き2万7800円からで、税込み&送料込みだと3万円を超えます。でもアマゾンでは、タイミングによっては同じモデルが3万円を切ることもあるので、テキトーにググってみてください。ハデですけど。
最近の格安PCは昔のように「安かろう悪かろう」的なところがなくてビックリです。なんか、大手メーカーほどマジメに作っている印象を受けます。LenovoはSuperfishとかでアレでしたけど。
ただやっぱりモッサリ感はあるのでこれから使おうと考えている人に少しアドバイスをすると、作業に使うしばらく前から電源を入れておくことをおすすめします。起動してからWindows 10とかほかのアプリの更新が実行されると、やたら重くなりますからね。目安としては10分くらいでしょうか。スペックによって変わりますけど、タスクマネージャーでディスクの使用率が90%未満になるまで待つことをおすすめします。
あとデスクトップ版のアプリは重いので、Windows 10版のアプリを積極的に使うといいかも。あんまりいいアプリがないですけど。でもWindowd 10アプリはかなり軽く動くように作られているので、Atom Z3700系でもサクサク動きます。マインクラフトもそこそこスムーズに動きました。
そんな感じで、少しでもモバイル性能にこだわるならEeeBook X205TAを、モバイル用途での生産性を重視するならHP Stream 11がおすすめです。もし10万円以上の予算があるなら、ThinkPad X250/260とかVAIO S11とかを購入すると幸せになれるかもしれませんヨ。
ゴロゴロ野菜がタップリ!コストコのキーマカレーを試す
コストコへお買い物に行ったところ、新商品として「キーマカレー」が販売されていたので、さっそく試してみました。内容量は1.175kgで値段は1280円(税込み)です。
↑値段や原材料など
そもそもコストコでは以前からキーマカレーが販売されていましたが、パエリアやロティサリーチキンなどが並ぶ、ホットデリものだったと思います。ですが今回の商品は自分で温めてからとりわけるタイプ。ホットデリタイプはライスの上にカレーが乗っていましたが、この商品ではライスとカレーが別々になっていました。
↑ライスとカレーが別々に分かれています。冷たいので温める必要あり
内容自体は、以前のキーマカレーと変わらないようです。キーマカレーという名前ですが、パプリカやジャガイモ、ズッキーニなどがふんだんに使われており、どちらかというと夏野菜カレーという雰囲気。ライスはサフランライスではなく、ターメリックライスのようです。
キーマカレーの主な具材
- 鶏ひき肉
- タマネギ
- ひよこ豆
- 黒いんげん
- パプリカ
- ズッキーニ
- ボイルポテト
↑大きめにカットされた野菜がゴロゴロと入っています
↑乾燥パセリがかかったターメリックライスはちょっとパサつき気味
調理方法は非常に簡単で、フタを取り外してから電子レンジの500Wで10分間温めるだけ。容器をそのまま使うのにちょっと抵抗がありましたが、できあがり時には溶けたり変形したりすることもありませんでした。耐熱仕様になっているようですね。
内容量は1.175kgですので、ふたりぶんにはちょっと多いかなと感じ。そこで1/4で盛りつけてみました。単純計算では、ひとりぶんは293gになります。
↑1/4の量を盛りつけた様子。彩りとしてパクチーを添えてみました
ひとりあたり293gは少ないかなと思ったのですが、意外にボリュームがありました。副菜を用意するなら、4人で取り分けても十分かもしれません。たとえば3人家族なら、ひとりだけ多めにして、あとのふたりは普通の量でというパターンもアリでしょう。
かんじんの味についてですが、けっこうスパイスの香りが強めです。クミンとカルダモンが効いていて、辛さはあまり感じられません。まったくないというわけではないのですが、子供でも食べられると思います。実際に我が家で3歳と6歳の子供に食べさせてみたところ、問題なく食べられました。やや酸味のある味わいで、個人的には好みです。
キーマカレーというとひき肉のイメージが強いのですが、コストコのキーマカレーは野菜がゴロゴロ入っています。鶏ひき肉は、アクセント程度でしかありません。実際のところはわかりませんが、野菜がたくさん入っているというだけでヘルシーな感じがします。
野菜がメインだと淡白に感じることもありますが、このキーマカレーにはひよこ豆と黒いんげんが入っており、そこそこのボリュームがあるように感じました。ただ個人的には、もう少し豆を柔らかくしてもいいんじゃないかと思います。
分量としては3~4人ぶんで、野菜をタップリ摂ることができます。コストコのお買い物から疲れて帰ってきて、晩ごはん作るのシンドいわーというときにピッタリ。もしくは知人を自宅に呼んで、ランチとして出すのもいいでしょう。4人で分けるなら1食あたり320円と、とってもお得でオススメです。
いまさらながら「黒い砂漠」を始めたら、案の定キャラクリにハマる
先日マウスコンピューターの直営ショップで、「黒い砂漠」の展示機デモをやっていました。ちょっと触ってみたところ、クノイチの動きが面白くてよかったので、自宅でもやってみようかと。
黒い砂漠とは|MMORPG 黒い砂漠| Pmang公式メンバーサイト(ゲームオン運営)
「黒い砂漠」は以前にPCレビュー用にプレーしたことがあったのですが、レビュー機材を返してからは一切プレーしていませんでした。アカウントもわからなくなってしまったので、はじめからプレーすることに。
この作品はグラフィックスがスゲェんですけど、その代わりにそれなりの性能が求められます。GeForce GTX960だと厳しいかなーと思っていたのですが、設定画面に表示されるFPSを見ると、最高画質でもなんとかなりそうな雰囲気。人気の多いところではたぶんガクッと下がるでしょうから、そのときは画質を下げようかなと考えています。
↑GTX960でも最高画質で60 FPS前後でした。オープニング画面で、ですけど
黒い砂漠というゲームは、キャラクタークリエイトがメインであとはオマケと言っても過言ではないほど、設定が充実しています。もうね、アホかと思うくらいですよ。さらにこの手のゲームにありがちな「不気味な感じ」が(あまり)ありません。個人的な趣向にもよるのですが、私としてはけっこう、好みです。
↑わりとリアル系
↑アジアン風が多めです
本来ならどの職業を選ぶかで小1時間ほど悩むとは思うのですが、今回ははじめからクノイチに決めていましたので、サクッと選択。でも、なんか、ちょっと。クノイチってこんなのなんですかね。いやまあ、ゲームにはありがちですけど。
↑いろいろと思うところが多い、クノイチの衣装
普通のゲームなら、体のパーツを選んだり、大きさを変えたりしてキャラクターを作りますよね。黒い砂漠でも基本的な考え方は同じなんですが、パーツを入れ替えるだけでなく、パーツの大きさや向きなども変えられるんですよ。3Dのモデリングをするみたいに、パーツの一部分をグイッと引っ張ったりできます。
↑顔や体をほぼ自由に変形可能。まるでモデリングソフトのようです
↑ヘアスタイルも細かく編集できます
なかには、「そんなところまで必要か?」と思うような内容も。
↑眼は瞳孔、虹彩、水晶体ごとに細かく編集可能
↑顔のシワは、男性キャラのほうが似合うかも
でまあ当然体型の編集もありまして、やっぱり細かく設定できるわけですよ。
↑体型の編集画面
今回は基本体型を踏襲しつつ、マシマシ風味にしておきました。あとひと言申し上げておきたいのですが、編集画面でいちいち揺れなくてもいいと思います。
↑こんな感じになりました
とりあえずサクッと始めようと思っただけなのに、キャラクター作成で1時間以上かけてしまいました。ホントはもっといろいろイジリたいのですが、そうなると時間が……。とりあえず1体を暫定版として保存しておくことに。
↑なんか、誰かに似ているような気が……
薄々こうなるだろうなとは思っていましたが、やっぱりキャラクター作成に時間をかけすぎてゲームを始められませんでした。どうしよう、このまま始めてしまうべきか。それともまた作りなおすか……。うーん、うーん。
東プレのREALFORCE 108UBKを購入しました
本当にいまさらなんですが、東プレの静電容量無接点キーボード「REALFORCE 108UK」を購入しました。
名機「Illuminated Keyboard K740」からの卒業
これまでLogicoolの「Illuminated Keyboard K740」というキーボードを使っていたのですが、キーがかなりヘタってきてしまいまして。ついにEnterキーがなかなか反応しなくなってしまったので、買い換えたワケです。
↑LogicoolのIlluminated Keyboard K740
↑Enterキーを始めとするキーが、ガッタガタになってしまいました
K740を使い始めたのが2013年の6月からですので、およそ2年半使っていたことになります。まあ、よく持ったほうなのかな、と。余談ですが、このあいだ量販店でK740の展示機を叩いてみたら、自分が使っているものとあまりにも打鍵感が違いました。全体的にだいぶヘタっていたようです。
K740はとてもステキなキーボードで、個人的にはとても気に入っていました。実はK740の前モデルである「CZ-900」(ほぼ同型の型番違いモデル)から使っていたのです。厚さは9.3mmで非常に薄く、それでいてパンタグラフならではのサクサクとしたタイプ感があります。厚さ9.3mmなのに、キーストロークは3.2mmありますからね。タイプ音がとても静かで、バックライトもイイ感じでした。
↑厚さ9.3mmで、非常にスリム。パームレストの感触もソフトで◯
ただ、やっぱり1年間でガタつくのは問題かなと。普通に使っているなら1年間で1000万回をオーバーすることもないのでしょうけれども、私の場合はキーボードを酷使する仕事ですので。そこで泣く泣くK740に別れを告げて、REALFORCE 108UBKに乗り換えたワケです。108UBKならキーストロークは3000万回保証ですので、3年程度は使えるかな、と。毎年キーボードを買い換えるのも、アリとい言っちゃアリなんですが。
"レーザー印字"か、それとも"昇華印字"か
REALFORCEには細かなモデルがやたらあります。たとえばテンキーなしの「87」シリーズですとか、英字配列でテンキーありの「104」シリーズですとか。今回はとりあえずテンキー付きのフルキーボードである「108U」を選びました。テンキーはなくてもいいのですが、PINを入力するときに片手でデキるのが便利かなと思いまして。
で、この「108U」にはさらに細かなモデルがありまして、カラーがホワイトの「108UH」とブラックの「108UBK」、さらにキーの押下圧が異なるものとか、キートップの印字方法が異なるものとか、静音タイプのものとか……。ここからどれにするべきか、大いに悩むことになります。
押下圧に関しては実際に量販店で試してみて、「変荷重」タイプに決めました。これはキーの場所によって押下圧が30/45/55gに分かれているタイプです。30gで統一されたモデルと比べてみたのですが、30gでは私には軽すぎでした。K740の押下圧が55gだったから、というのもあります。
続いてキートップの印字方式について。108UBKには「レーザー印字」と「昇華方式」の2種類が用意されています。見やすいのは、ゴールドで印字されたレーザー方式です。一方の昇華方式は字を視認しづらいのですが、レーザー方式に比べて耐久性でまさる点が最大のメリット。字が目立たないので、デザイン的にもシンプルです。完全にタッチタイピングができるなら、昇華印字でも問題ないでしょう。
↑レーザー印字のキートップ
↑昇華印字のキートップ
私ははじめ昇華印字のモデルにしようと考えていたのですが、よく考えたら完全にタッチタイプをマスターしているわけではありませんでした。いわゆる「なんちゃってタッチタイパー」です。よく使う英数字や記号なら問題ないのですが、バックスラッシュ(\)などの記号がどこだったか、キートップで確認しないとわからないことがあります。 そのため、レーザー印字のタイプに決めました。タッチタイプを完璧にしなくちゃなー。
実物は意外とゴツかった
そんな感じでアマゾンでポチりまして、さっそく使ってみたわけですが、意外ときょう体が厚くて重い(1.4kg)のに驚きました。安定感があっていいのですが、これまで使っていたK740がスリム(9.3mm)で軽かった(1050g)ので、その違いが目に付くなーと。
↑標準の状態では、最厚部で32mmでした
↑スタンドを立てると、高さは50mm前後に
キーストロークはかなり深くて、入力しやすいです。パンタグラフから移行するとキー入力時にうまく運指できないのではないかと心配したのですが(パンタグラフよりも上下の運指が大きく、横の移動時に引っかかるかと思ったので)、とくに問題なく使えています。これは、K740のキーストロークが3.2mmあったからかもしれません。ノートPCの1~1.5mmのストロークに慣れていると、指の上下運動に違和感を感じる人もいるのではないでしょうか。
↑108UBKのキーストロークは約4mm
ノートPCの浅いストロークに慣れていると、だいぶ深く感じるかもしれません
キートップはマットでサラサラとした感触なんですけど、さっそく油脂が染み付いてきているようです。そうなんです、油が多いんですよ、私(涙)。
キーの押下圧も、個人的にはピッタリ。少しEnterキー(30g)が軽いかなという気がしましたが、すぐに違和感は感じられなくなりました。底打ち感もなく指への反発が少ないので、いかにも指にやさしい感じがあります。
タイプ音が少し気になる……
タイプ感は全体期に極めて良好なのですが、ひとつだけ気になる点があります。それは、タイプ音の大きさ。K740は静音性が高く、タイプ音は「トトト……」という感じでした。しかし108UBKは、いわゆる「カチャカチャターン!」という感じです。メカニカルに比べれば圧倒的に音は小さいのですが、静かな場所ではタイプ音が気になりますね。
あと、個人的には「手首を浮かせて使うべし」というお触れにショックを受けました。
↑同梱の注意書き。「手首を浮かせて操作」するべしと書かれています
K740ではパームレストに手首をべったり付けて使っていたので、手首を浮かせて使うのにちょっと抵抗があります。そもそもK740やCZ900を使い始めたのが、右手首の腱鞘炎が原因だったので……。
ただネットではREALFORCEで腱鞘炎が楽になったとか、手首が疲れにくくなったという報告を確認していますので、このとおりに使ってみようかなと考えています。そうなると、今度はイスや机も調整しなくちゃいけないんですよねー。こりゃ、イスと机も買い換えかしら……。
ということで、今回は試し打ちもかねてREALFORCE 108UBKを簡単にレビューしてみました。文字をやたら入力しまくる人や、ノートPCのキーボードに不満がある人にオススメですよー。
短い原稿が書けない
某ASPの管理画面がやたら重くなって仕事にならず、現実逃避でこのエントリを書いています。
先日、久しぶりにレビュー記事の執筆依頼がありました。そのときのやり取りが、こんな感じ。
編「○日までに○○○のレビューをお願いしたいんだけど、どう?」
私「えーと、えーと。いいですよ。文字数はどれくらいですか」
編「いつもどれくらい書いているんだっけ?」
私「6000~8000、多いときは1万字を超えてます」
編「……その半分で。ってゆーか、最高でも5000文字までな(強く念押し)」
文字数少ないと作業時間も短いからラッキーと思ったのですが……。はてさて、いつもの構成からどこを削るべきかと悩んでしまいました。
基本的に情報を「これでもかっ!」と詰め込むタイプですので、原稿はフツーに長くなります。ナチュラルに4000文字は軽く超えるので、逆に2000~3000文字の原稿が書きづらくてしょうがありません。意識して書かないと、アッという間に文字数オーバーしちゃう。
別にムダな内容を盛り込んでいるワケではないですよ。たとえばパソコンのレビューなら、「CPUはCore i7-6500U(2.5GHz)」とか書くじゃないですか。じゃあSkylake世代のCPUは、旧世代のBroadwellのCore i7-5500Uと比べてなにが違うのかという情報が必要になりますよね? それに、同じSkylake世代のCore i5-6200UやCore i3-6100Uと比べると、どんなアドバンテージがあるのかって気になりますよね? ほかにもvPro対応のCore i7-6600Uとか28W版のCore i7-6567Uとかあり(以下略)。
そんな感じで自分なりに気になる部分を丁寧に解説していくと、自然と文字数が増えるワケです。フシギ!
ただですね、読者にしてみれば「長文を押し付けられても……」という思いがあるのはわかります。そりゃ短い文章で的確に、かつ凝縮された濃い情報を伝えるのが理想ですよね。ニーズがあるのかどうかわからない情報をやたら含めるよりも、確実に求められている情報を厳選してスパっと言い切るのが正解。特に最近はその需要が強くなってきていると思います。
なんとなくですけど、紙媒体の書き方に似てきているような気もしてきました。
Webページなら(やろうと思えば)好きなだけ書けるんですけど、紙媒体はスペースが有限なので文字数の制限があたりまえ。先に文字数を出す"先割り"のレイアウトだと、「ここに16W×10Lのテキストを入れてねー」という感じで指定されますので、(ほぼ)文字数どおりのテキストを書かなければなりません。オーバーすると「削れやゴルァ!」と主張する初校が出てきます。紙媒体はいろいろルールがあるので、それに則って原稿を書く必要があるのです。
やや話は変わりますが、以前編集の仕事していたときに、ライン数を大幅にオーバーしているのにむりやり長体かけてツメツメでねじ込んできた初校を見て、思わずひっくり返った記憶があります。1ライン22ワードくらいのところに、40ワード以上ねじ込んできた、みたいな。これはねえよ、みたいな。
話を戻すと、紙媒体は文字数の制限があるので、取り上げる情報を取捨選択しなければなりません。それはそれで大事なことなんですけれども、レイアウトの都合で本文量が少ないと「書きたいことが書けない」という状況もあるワケでして。正直なところ、個人的にはその点がとても不満でした。
だからWeb媒体の記事をはじめて書いたときは、「これからは文字数を気にしなくてもいいんだ、自由に書けるんだ」と思いましたね。行送りの関係で最期の行が1文字だけになるのも気にしなくてもいいし、半角英数字を3文字で2文字として数えなくてもいい。なんて楽チンなんだ、ワーイって感じ。
で、文字数を気にすることなく必要と思われる情報を詰め込んできたら、いつの間にか長文作成マシーンとなってしまったわけです。
でもですね、でもですね。これは情報の吟味を怠ってきた結果でもあるんですよね。なんでもかんでも詰め込むのは、「下手な鉄砲も数撃ちゃ当たる」と同じということでして。キーワードでアレしてロングテールでソレするならそういう書き方もアリってゆうか、メインブログはまさにそんな記事で成り立っているんですけれども、ある意味では読者目線ではないというか。
特に最近はスマホでページを読む人が増えてきていることもあり、必要な情報を素早く的確に伝えることが重要になっている気がします。読み応えのある長文の需要がなくなることはないと思いますが、これからはムダをそぎ落としたコンパクトな記事が求められるのかもしれません。
ということで、これでピッタリ2000文字(編集画面に表示されている数字で)に達したので終わります。